看護師として働く中で、「このままでいいのか?」とキャリアに悩んだことはありませんか? 現場の忙しさに追われながらも、スキルアップやキャリアの選択に不安を感じるのは、多くの看護師が直面する課題です。
今回は、愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センターの 内藤知佐子先生 に、キャリアの選択肢や成長のためのヒントについてお話を伺いました。先生自身の経験をもとに、看護師としての未来をどう切り拓くべきか、一緒に考えていきましょう。
1. 内藤先生が歩んできたキャリアの道
内藤先生は、看護師として臨床経験を積んだ後、看護教育の道へと進まれました。その選択の背景には、「より多くの看護師の成長を支えたい」という想いがありました。
「もともとは、私も一般の看護師として働いていました。しかし、指導する立場になったときに、後輩が成長していく姿を見て『教育の力ってすごいな』と感じたんです。それが、教育の道に進むきっかけになりました。」
臨床経験を積む中で、自身の強みや興味を見つけ、次のステップへと進んだ内藤先生。これは、すべての看護師が考えるべき 「自分のキャリアの可能性」 に通じる部分ではないでしょうか。
2. 看護師のキャリアの選択肢とは?
看護師のキャリアは決して 「病院で働く」 だけではありません。実は、多くの選択肢があり、それぞれの道にやりがいや魅力があります。
① 専門・認定看護師としての道
特定の分野に強みを持ち、スペシャリストとして活躍する道。例えば、緩和ケア、感染管理、集中ケアなど、さまざまな領域で専門性を発揮できます。
「専門性を高めることで、自分の知識や技術が患者さんにダイレクトに還元される。それが大きなやりがいになると思います。」
② 看護管理者としての道
病棟や病院全体の運営に関わる役職を目指す道。主任や看護師長などの管理職になることで、組織の運営やスタッフの育成に携わることができます。
「現場の声を反映し、働きやすい環境をつくることができるのは、管理職ならではの魅力ですね。」
③ 看護教育・指導者としての道
後輩看護師や学生の指導に携わる道。教育の力で、より良い看護を広げていくことができます。
「私自身もこの道を選びましたが、後輩が成長していく姿を見ることが、何よりの喜びです。」
④ フリーランス・訪問看護などの道
病院以外の働き方として、訪問看護やフリーランス看護師として活躍する方法もあります。自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
「自分の価値観に合った働き方を選ぶことで、長く看護を続けることができます。」
3. キャリアに悩んだときに考えるべき3つのこと
看護師のキャリアを考えるうえで、内藤先生は 「3つの視点」 を大切にしてほしいと話します。
① 自分が大切にしたいことは何か?
「キャリアを選ぶとき、まずは自分の価値観を見つめ直してみてください。」
- どんな看護がしたいのか?
- どんな働き方をしたいのか?
- どんな人生を送りたいのか?
仕事は人生の大きな部分を占めます。だからこそ、 「自分にとっての幸せ」 を考えることが大切です。
② 自分の強みや得意なことは何か?
「自分が得意なことや、人よりも自然にできることがキャリアのヒントになります。」
例えば、コミュニケーションが得意なら指導者の道、手技が得意なら専門看護師の道など、自分の強みを活かせる分野を探してみましょう。
③ 変化を恐れず、一歩を踏み出す
「新しい挑戦には不安がつきもの。でも、最初の一歩を踏み出さなければ、何も変わりません。」
内藤先生自身も、教育の道に進むときは不安があったそうです。しかし、挑戦したことで、新しいやりがいを見つけることができました。
「悩んだときこそ、小さな行動を起こしてみることが大事です。勉強会に参加する、先輩に相談する、転職サイトを覗いてみる… 何でもいいので、動いてみることが未来につながります。」
4. キャリアの悩みを乗り越えるためにできること
最後に、内藤先生から キャリアに悩む看護師へのアドバイス をまとめます。
✅ 情報を集める
「知らないことは選べない」ため、セミナーや勉強会に参加し、さまざまな選択肢を知ることが大切です。
✅ ロールモデルを見つける
憧れる先輩や指導者を見つけ、その人のキャリアの歩みを参考にすることで、自分の未来像が明確になります。
✅ 小さなチャレンジをする
いきなり大きな決断をするのではなく、少しずつ経験を積むことで、自信を持って次のステップに進めます。
まとめ:あなたのキャリアはあなたが決める
看護師のキャリアには、無限の可能性があります。「このままでいいのか?」と悩むのは、成長のサイン。あなたの未来は、あなた自身の手で切り拓くことができます。
「どんな看護師になりたいか?」 その答えを見つけるために、まずは一歩を踏み出してみましょう。
あなたのキャリアが、より充実したものになりますように。