【今井雅子STORY】3章:ぐるり代表今井雅子 多様な人がいる地域で生きたい。合言葉は、【ラブ&ピース】

 

こんにちは。いえだ ゆうです!

 

看護師の看護師による看護師のための新しい生き方を応援する情報メディア『看護+ONE』へようこそ!

インタビュー:マイストーリー

いえだゆうが人生の大先輩にお会いし、幼少の頃から今に至るまでのお話を聞かせて頂き、魅力開花のコツを学ばせて頂こう、という企画です♪

 

 

第2回目のゲストは、一般社団法人ぐるり代表「いまいまさこさん」です。

一般社団法人ぐるり代表の「いまいまさこさん」とは、不思議なカラダ、SMA(脊髄性筋委縮症)というハンディスーツを着て生まれてこられ、歩いたことも立ったこともなく、生活のあらゆる場面で介助が必要な生活を送られており、たくさんの人に支えられ、地域で育ってこられました。ぐるりとは、その彼女が、参加型体験を通して、「いろんなカラダのちがいをもった多種多様な人たちが交ざり合う地域の土壌づくり」を目指すための活動です!

 

今回は、インタビュー最終章です。

「障害のせいにしてるのって恰好悪いで。幸せになられへんで」という恵子先生の言葉に衝撃を受けたまさこちゃんは、「どうしてSMAで生まれてきたんやろう?」「何で私なんやろう?」「障害って何やろう?」と、再度、問いかけ直しました。

そこに、どんな答えを見出していかれたのでしょうか?

その答えが、『一般社団法人ぐるり』です。

さあ、彼女は、「ぐるり」でどんなことをしたいと思っているのでしょうか?

 

いえだゆうと一緒に今井雅子さんの人生から魅力開花のコツを学んでいきましょう♪

 

1.必要やから生まれてきた。そう思えるようになった。

 

いえだゆう
自分自身への問いを整理し直して考え方は変わった?
まさこちゃん

ものすごい時間はかかったけど、変わってきてるよ。みんなそれぞれ、一人一人ちがう。「本当は障害がある、障害がない」なんてカテゴライズできるものじゃないし、線引きできるものでもない。

「私に障害があるとするなら、みんなも何らかの『障害』ってあるよね」って感じてる。

それぞれ乗り越えられないテーマとか、ずっと抱えていく課題とか、出来ないこととか苦手なこととか。

それは身体的な障害だけでなく、みんなそれぞれにテーマがあって。

どれが重たいとか軽いとかなくて、みんなそれぞれなんじゃないかなって

いえだゆう
そうだね。みんな何かのテーマ(障害)を抱えて生きてるよね。
まさこちゃん
SMA(脊髄性筋萎縮症)で生まれてきて、「自分が悪いとか、申し訳ないな」とか思ってきて、整理のつかない違和感がずっとあって。けど、このカラダで生まれてきたのは、変えようのない事実だし。
まさこちゃん

そんな時に、『1/4の奇跡』という映画の中で、「昔、障害のある人たちがいないと、人類が滅亡してしまうという村がある」という話があって。私が、SMAで生まれてきた理由は、人類が生き延びていくために必要だから、生まれてきたのかもしれない。SMAスーツで生まれてくる登場人物が必要だったんだ。そんな物語が私の中に生まれてきたの。

まさこちゃん

今回のテーマはSMAスーツ。じゃあ、「このテーマを生ききるには、どうしたら楽しく、うまく生ききれるか?」みたいなことに力を注ごうと考えるようになっていったの。

いえだゆう
ごいね。変わったね。

 

人間関係がうまくいかない理由を障害のせいにしていたまさこちゃんは、徐々に、徐々に自分が生きるテーマは何かを考え、受け入れ、楽しく生きていける道を考えるようになっていきました。

 

.多様な人が交わることで、見えてくるコトがある。

 

まさこちゃんは、24歳から、24時間介助を受けながら地域で自立生活を送り続けています。

地域で様々な人と関わる中で、殻の中に閉じこもっていたまさこちゃんも変化を遂げてきました。

その変化の中から生まれたのが、『一般社団法人ぐるり』です。

「ぐるり」とは、どういう取り組みなのでしょうか?

まさこちゃん
自立生活が始まってからは、本当に色々な人に介助してもらってきてて。自立生活を始めた頃は、『価値観が合わない』人には、介助してもらいたくないと思ってた。
まさこちゃん
でも、合わないから無理とか言ってたら、だんだん生活がギスギスしてきて。生活をやりくりするのが難しくなってきてん。これって自立生活じゃないよな~て思って
いえだゆう
大変だったんだね。
まさこちゃん

自立生活は、色々な人との出会いを上手くやりくりする力が重要。それが、「この多様な人に支えられている命」が教えてくれたこと。だから、多様な人がいるこの空間や地域をもっともっと交ぜていきたいねん。そこで、生まれたのが『一般社団法人ぐるり』なの。

 

まさこちゃんは、自立生活の営みの中で、様々な人々と関わってきました。

 

その中で、合わない人を排除して、同じ価値観の人とだけ関わり続けていたら、関われる人がどんどん減っていき、逆に自立生活を営むことが難しくなっていく経験をされました。

 

その結果、「自立生活には、多様な人が必要なんだ」多様な人と交ざり、喜怒哀楽、様々な感情を抱きながら、自立生活を送ることが本来の姿」と思うようになりました。

 

一方で、そのような気づきが合った「まさこちゃんの目」から世の中は、どのように見えたのでしょうか?

まさこちゃん
同じカテゴリーにいるのが楽」とみんな思い込んでいるけど、楽が楽しいわけじゃない。
いえだゆう
それって、どういうこと?
まさこちゃん

楽だと狭くなっちゃうやん?でも、今ある空気の中には、無関心の渦が広がっていってて、心を開いて、いろいろな人と関わってないんじゃないかなと思ってる。自分とは違う人たち、想像もできなかった価値観に触れると、「胸の中がグワーッてかき回されて、とっても疲れるしエネルギーもいる」でも、多様な人の中でぐるぐる交ぜられて、幅を広げていくことが大事だと思ってる。

 

まさこちゃんは、「無関心の渦」から飛び出し、多様な人々が交ざり合う地域社会を目指して、『ぐるり』を立ち上げました。

 

まさこちゃんの話を聞いていて、いえだゆうは、『ぐるり』の考え方は、私たちの日常にも役立つと思いました。

 

私たちは、色々な経験を繰り返す中で、自然に、自分の価値観に合う人とだけ関わることを選んでしまいがちになっていないでしょうか?

 

しかし、自分の価値観と同じ考えの人とばかり一緒にいると、自分の思考が固まり、自分の価値観が一番正しいと思い込んでしまいます。

 

「無関心の渦」で見えなくなってしまった本来の姿を見えるようにする活動が『ぐるり』であり、今の私たちに必要な考え方のように思いました。

 

3.くまちゃん診断:みんなすごい能力を持っている

 

多様な人々をぐるぐるかき交ぜていきたいと思い、『ぐるり』活動を始めたまさこちゃん。

 

その活動の中で、まさこちゃんは「自分は何にエネルギーを費やしてきたのか」考えました。

 

その中で、SMAスーツという不思議な身体をもって生まれてきた自分だからこそ見えているコトがありました。

 

それが、一般社団法人ぐるりの取り組みの一つである、くまちゃん診断』です。

 

いえちゃん
くまちゃん診断ってどうやって生まれたのか、すごく気になるんだけど。
まさこちゃん

SMAって、社会の市場原理からは無能とされているけど、「わたし、毎日、毎日、一生懸命生きてるよ!」という感覚が強くあって。「じゃあ、私が一生懸命、毎日やってることは何なのかな?」と考えたの

いえだゆう
どんなことをしてたの?
まさこちゃん

私は、トイレに行くのも、お風呂に入るのも、体位を整えるのも、全て介助が必要で、横抱えで移動させてもらうの。介助の人って本当に色々な人がいて、「どういう風にしたら、今日の二人(まさこちゃんと介助の人)が安全に過ごせるか」というところにすごいエネルギーを使ってて。

いえだゆう
介助の人との関係性が近いもんね。
まさこちゃん

近いのもあるけど、その人だよりというか。介助の人がいないと生きていけないでしょ。SMAの特徴上、筋肉が無くて、骨が育ってないからスカスカで、何かにちょっとぶつかるだけで捻挫になったり、力が強くかかると骨折してしまうこともある。

いかにこの身体を安全に扱ってもらって、生活行為をスムーズに行えるかがとっても大事なの。

まさこちゃん

いかに安全に介助してもらえるかに全力を注いでいて、そのために介助の人の動きやクセを観察し、分析してるみたい。その結果、介助者の問題点が分かるようになったの。

いえだゆう

面白いね。でも、くまちゃん診断ってそれだけじゃないよね。私も一度、診断してもらったけど、その人の内面も見てるよね

まさこちゃん

特性とか、内面とかも見てる。介助してくれる人の状態がどういう状態なのか、ずっと見てきたから。介助者は、メンタルや体調など、日によって違う。

でも、安全性を保って介助してもらえないと、自分の命にかかわってくるから、日々、介助者を観察し、その都度、細かいところまで調整してる。その積み重ねから生まれた“本能のチカラ”なんちゃうかな。

 

くまちゃん診断は、くまちゃんの介助を行う人の態度や行動、まさこちゃんとの対話を通して、まさこちゃんが、感じたことを伝えてくれます。

介助者の身体面・精神面を観察し、分析し続けてきたまさこちゃんだからこそ気づける部分があり、私たちに『本来の姿』を伝えてくれる活動のように感じています。

 

 4.『ラブ&ピース』がないと始まらない

 

いえだゆう
最後にまさこちゃんが伝えいたことは?
まさこちゃん

「ラブ&ピース」。絶対平和じゃないとダメ!障害のある人って、戦争が起きると真っ先に殺される。平和じゃないと生きていけない。

自分の中に色々な考えがあると、「なんで一つの常識に縛られて人を判断したんだろう?」とか、「排除してきたのかな」と冷静に見つめられるし、自分の力で考えられると思う。人を判断する時は、自分にもその判断の矛先を向けている思う。

人と交ざって、広い視点を培えたら、自分に対しても周りの環境に対しても寛容になれるんとちゃうかな。一人一人がもっと心地よく生きられて、自由でいられる文化を目の前から育てていきたいねん。

いえだゆう
そうだね~。
まさこちゃん

私のテーマは、尊重。「一人の人として尊重される人生を送ること」がテーマやから。

『ラブ&ピース』がないと全然話が始まらないの(^^♪

 

一般社団法人ぐるり代表 今井雅子さん。

 

2時間にわたり、これまでの人生で感じた思いをありのままに語って頂き、本当にありがとうございました。

 

「この話、聞いていいのかな?」と不安に思ってしまう部分もありましたが、「全然大丈夫(^^♪」と優しく声をかけて頂き、ありがとうございました。

 

インタビューのコツを知らぬまま飛び出したいえだゆうは、東田一人さんから教えて頂いた「熱烈に聞く」というスタイルだけは実践したいと思い、一生懸命、まさこちゃんの世界に耳を傾けさせて頂きました。

 

まさこちゃん。

 

あなたの人生から、とてつもなく生きる強さを学ばせて頂きました。

 

5.いえだゆうの学び

 

SMAスーツを着て生まれてきたまさこちゃん。

 

その不思議なスーツの正体がわかるまでに2年の月日がかかり、5年しか生きれないと宣告されたにも関わらず、38年の月日を生き抜いています。

 

まだまだ生きて下さい!

 

この世に生まれて38年間。

 

まさこちゃんは、不思議なスーツをもって生まれてきた謎に向き合い続けています。

 

その問いは、今も続いていると語られていました。

 

その謎解きの答えが見えず、ゴワゴワな気持ちを抱えて、スーツの中に身を潜めていた時期もありました。

 

でも、その強固な殻をハンマーで殴る人があらわれ、一筋の希望の光を見つけ、何度も何度も、自分の感情の整理をし直し、自分の道を力強く歩んでこられました。

 

まさこちゃんの力強さの源泉は、ワクワク・ゾワゾワの遊びの感覚。

 

まさこちゃんは、地域で自立生活しながら生きています。

 

そのためには、多様な人の手助けが必要です。

 

多様な人と上手くやりくりする能力を発揮しながら、その能力を社会に還元し、次の世代の人たちが住みやすい環境づくりも目指されています。

 

2017年5月には、SMA仲間が集うSMAサミットも開催されました。

 

まさこちゃんは、今日も、多様な人々をぐるぐるぐる。

 

地域でぐるぐるぐるり。

 

いえだゆうもぐるぐるぐるり。

 

さあ、これから、彼女が、どのように人と人を結び付けていくのか楽しみですね(^^♪

 

ブログ読者のみなさま、多様な世界へ出かける準備はできましたか?

あなたの『ぐるり』はどこにありますか?

あなたの無関心の渦はどこにありますか?

まず、あなたが一番関わっている場所をぐるっと見渡して、同じカテゴリーにいない人と関わってみる。

 

そこから、始めてみませんか?

 

合言葉は、「ラブ&ピース!」

 

魅力開花の旅へ、Let’s  action(^^♪

 

 

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